多発性筋炎の治療期間と感染症について

多発性筋炎は、リンパ球が自分の骨格筋の組織や関節など他の組織に対する異常な免疫と炎症の反応をおこす自己免疫病です。治療が難しく国が指定する難病にも含まれています。この病気の症状は全身の筋力低下で、最初は体幹に近い筋肉の力が弱くなり後に手など末端での動きも悪くなります。食べ物の飲み込みが難しくなったり、疲労感・体重減少・発熱や息切れなどもおこります。多発性筋炎の診断は、筋電図・クレアチンキナーゼ酵素の測定・核磁気共鳴画像法や筋肉組織の生検でおこなわれます。
多発性筋炎の治療には、異常な免疫反応を抑えるステロイド剤が使われます。このホルモンの効果が無い場合や体重増加などの副作用が強い場合、アザチオプリンなどの免疫抑制剤が一定期間使われます。炎症反応が鎮静化しているときには、筋肉がさらに弱くなることを防ぐために適切な運動などの理学療法もおこなわれます。治療によって筋力低下や嚥下困難などの症状がなくなり、病気から回復するヒトもいます。また少ない量の免疫を抑える薬を長期間使用する必要があることもあります。
多発性筋炎が慢性の経過をとるうちに、合併症をおこすヒトもいます。合併症で多いのが感染症で、細菌やウイルスによっておこる誤嚥性あるいは間質性の肺炎や他の臓器の感染症があります。誤嚥性肺炎の原因としては、飲み込みや呼吸に必要な食道や胸の筋肉の筋力低下が考えられます。また多発性筋炎では異常なリンパ球ができるため、肺炎の原因になる細菌やウイルスに対して正常な免疫反応をおこせなくなる可能性もあります。さらに長期間使用されるステロイド剤や免疫抑制剤によって免疫の働きが落ちることが、感染症の原因になりえます。ステロイド剤や免疫抑制剤は、慎重に投与される必要があります。